はじめに
「カタン」とは、ドイツ生まれのボードゲームです。
カタン島を開拓し、先に10点を獲得した人が勝ちとなります 。
通常は4人でプレイしますが、3人でもプレイは可能です。
得点を得るためには、カタン島を開拓して資源を産出させます 。
木、土、羊、麦、鉄の5種類がカタン島で産出され、 これらを消費することで、
道を作り、家を建て、街にアップグ レードしたり、
チャンスカードを引いたりすることで、得点を重ねていきます 。
必要な資源が手元に無い場合は、他のプレイヤーと交渉して
入手することも可能です。
また、このゲームには資源の産出を妨げる「盗賊」というキャラクターがいます。
これでライバルを足止めしたりもできますので、
単純なゲームでありながら、高度な駆け引きが要求されます。
必要資源
道・・・木+土---0点
家・・・木+土+羊+麦---1点
街・・・麦2枚+鉄3枚---2点
チャンスカード・・・羊+麦+鉄
(ソルジャー/1ポイントカード/収穫/街道/独占)
道賞(ロンゲストロード)・・ ・2点
一筆書きで5本以上の道を施設するともらえます。
但し、他プレイヤーにもっと長い道を作られると、道賞は移動 します。
騎士賞(ラージェストアーミー) ・・・2点
チャンスカードの「ソルジャー」を3枚使うともらえます。
こちらも他プレイヤーにもっと多く使われると、移動します
詳しい説明は、 オフィシャルサイトでご確認ください。
ル ールブックが漫画になった(PDFファイル)
上級者になるために〜初心者脱出法 〜
☆初期配置の考え方
まず数字がセットされた段階で、このことを考えます。
1) 何の資源が厚くて、何が薄いかを確認する
2) 専門港の位置関係をチェック
3) 道セット、街セットの数字確認(存在する場合)
4) 開拓有利か、カード有利かの判断
道セットとは、同じ数字の木と土の土地があること。
街セットとは、同じ数字の麦と鉄があることです。
開拓とカードの有利不利ですが、私は鉄を判断基準にしております。
鉄が厚ければ、カード有利。薄ければ開拓有利と考えます。
勿論、その他の資源との兼ね合いも重要なのですが。
そして初期配置をするわけですが、
私はまず麦に注目して配置をします。
麦が薄ければ先に取りに行きますし、
厚ければ後回しにすることもあります。
というのは、カタンで麦が自家生産できないと、
非常に不利になってしまうからです。
カタンの開拓には、道、家、街、カードの4種類がありますが、
麦が無いと道しか引くことができませんので。
そして、カード戦術かバランス戦術かの選択をします。
カード戦術の場合、麦鉄を1手目。返しで羊を狙います。
そのときに木か土があればラッキーって感じですね。
それから、意外と軽視される傾向にあるのが道ですね。
初期配置の道一本ってのが、実はとっても重要なんですよ。
この道には、プレイヤーのプランが込められてますから。
”自分はこっちに発展したい”というのを宣言するのが、この道なんです。
ですが、よく見かけるのが1番手スタートのプレイヤーで、
いい場所を取ってさらに内陸へ道を伸ばそうとする人。
これは贅沢ですし望みすぎです。
余程枯れた土地ならば空いていることもありますが、
普通は潰されます。
そうすると、いきなり道一本損したことになるんですね。
1番手や2番手スタートの場合、最初の道は謙虚にしておいた方が、
後で無駄にならなくていいですよ。
初期配置が終わったら、誰がどの資源を産出できないか。
誰が発展しそうかを判断し、有利不利を見定めましょう。
そして産出できない資源は高く売り、有利な人を
足止めし、不利な人には優しい交渉をしましょう。
そうしないと、ゲームが一方的になってしまいますので。
そして、この時点で全員の最終形を想像してみてください。
自分が10点を稼ぐためには、あと8点をどう組み立てていくか。
他プレイヤーはどういうプレイをしたいのか。
その中で、誰が騎士賞を取り、誰が道賞を取るのか。
または、取って貰うのか。
そこまで初期配置で判断できるようになれば、
実力も勝率もグンとアップします。
☆3軒目の家はどこ?
3軒目の家を何処に建てるかというのは、今後の発展を考える上で
非常に重要です。
初期配置の段階では、このビジョンを確実に持って配置しましょう。
ありがちなのは港ですが、初期配置で他プレイヤーと道がぶつかっているときなどは、
最初に取捨選択を迫られることになります。
また、3軒目で欲しい資源を産出できるポイントを狙うこともあります。
作戦は様々ですが、3軒目を何処に建てるかというのは、そのゲームの
方向性を示しているといっても過言ではありません。
☆街を建てるときの注意点
街を建設すると、資源が2倍産出されるようになります。
資源カード1枚のところが2枚になるのですから、
他プレイヤーに対して大きなアドバンテージとなります。
勿論、これを他プレイヤーが素直に許してくれるはずも無く、
街のあるところに盗賊が置かれるのは自明です。
では、盗賊が置かれずに街にするには、どうしたらよいでしょ う?
答えは、他プレイヤーが街にしてから、自分も建設すればいいのです。
一番先に街を建てると、目立つのは当然です。
このゲームでは、できるだけ目立たないようにして勝つのが
最も楽な勝ち方ですので、街を建設するタイミングというのは
常に見計らうようにしましょう。
時には、街を建てる資源をチャンスカードに使うこともあります。
では、目立ってでも街を建設しなければならないときは、どういうときでしょう?
・ソルジャーカードを持っている。
・他プレイヤーも、同巡くらいで街が建設されそう。
・鉄又は麦が産出しづらく、このチャンスを逃すと街を建てづらい。
・カード戦術(下記のおまけ参照)をしている。
・専門港戦術(おまけ参照)をしている。
こういう事情があれば、先に街を建設しても良かろうとは思いますが。
それから、街が建設されたら、中盤戦に突入したと考えていいでしょう
☆7枚以上で手番終了は危険
何かアクションはしたいけど、交渉に失敗して枚数だけは多く抱えてパスするって光景を
見受けますが、これはあまり良いことではありません。
このゲームは資源カードを8枚以上持ってて誰かが「7」の目を出すと、”バースト”となり
手札を半分捨てないといけません。
この状況を避けるために、自分の手番では上手く資源カードを消費しておく必要があります。
本来は交渉を上手くまとめられれば良いのですが、毎回そうもいきません。
同じカードが4枚以上あれば4:1貿易が使えますけど、それも使えない場合だってあります。
そういうとき、私は道かチャンスカードを引くことにしています。
大概はチャンスカードの方を引きますけどね。
序盤〜中盤では、こういう機会にチャンスカードを引くのがいいのではないでしょうか?
狙い筋があって、カードを消費せずにパスしなければならないこともありますが、
そのときは「7」が出ないように祈るしかありませんけどね。
☆家は5軒しかない
道賞狙いで道を伸ばしていくと、道を分断されるのを防ぐため に
家を建設することがあります。
しかし、家は本来5つしかなく、初期配置で2つ使っているので 、
手元には3つしかありません。 家を建てないと資源は産出できませんが、
他プレイヤーからの道を分断されそうなら、回避にも家は使 いたいもの。
ここでジレンマが発生いたします。
家を5軒建てて、さらに家を建てるためには、どこかを街にしないといけません。
ですが道賞狙いということは、手元に鉄はそれほど多くないのではないでしょうか?
交渉で鉄3枚入手するのは、かなり困難です。
ですから、道賞狙いのときは上手く港を抑えるか、不足な資源を産出できるように
道を伸ばしていくのが常套手段のようです。
(最も、道賞狙いのプレイは不利と言われており、最近はプレイされない傾向にありますが)
また、街は4軒しかありません。
たま〜に5軒目の街を建てようとするプレイヤーがおりますが、
これは物理的に不可能です。
カードを引いてポイントを狙うか、騎士賞争いに参加してくださいな。
☆伏せカードは1ポイントと思え
「伏せられたままのチャンスカード」というのをよく見かけます。
これは使いどきを狙っているのか、使うことのできないカードである場合が
多々あるようです。
もし、そのプレイヤーが危険だと思ったら、盗賊をそのプレイヤーの土地へ
送り込んでみましょう。
それでもカードを使わない場合、伏せカードはソルジャーではないということになり、
1ポイントカードであることが濃厚となります。
(独占の場合もありますが、そんなカードを持っているプレイヤーには盗賊がお似合いです)
とにかく中〜終盤になってきたら、伏せカード=1ポイントカードと考えて然るべきです。
☆トップからは資源を奪え
終盤になって、トップが8〜9点なんてときに、どうすればいいでしょう?
無駄な足掻きかもしれませんが、それをやらないと負けてしまいます。
このゲームは2着になっても意味はありません。
最初に10点取れたら勝ちで、それ以外は全員負けなんですから。
手元にソルジャーカードがあれば、それを使って
とにかく手持ち資源カードを奪いましょう。
このゲームでは、手札が無いとすることがありません。
そういう状況に追い込むしか無いんですから。
勿論、チャンスカードを使われて上がりってことも有り得ますが、
そんな可能性を考えていてはダメです。
とにかく、できる限りのことをしなければいけません。
また、トップが道賞を持っていたら、道賞のライバルになれそ うな人に
木や土を横流しするというのも良い方法です。
☆資源のために盗賊を行使するのは、他プレイヤーに迷惑
盗賊の動かし方で、上手い人と下手な人の差が出ます。
覚えたての人がよくやるのが、自分の欲しい資源を
持っている人のところに盗賊を置いて、○○%の確率で
資源を奪うってやり方ですが、これはオススメしません。
確かにこれで上手く欲しい資源が引ければ、自分の手は
伸びますけれど、トップを放置することになります。
さらに、欲しい資源が引けない場合に交渉を
申し出たりしますが、やられた側にとってみれば、
そんな交渉受けるはずがありませんよね。
それに他のプレイヤーから見れば、
自分の欲しい資源のためだけに盗賊を動かしているので、
自己中心的なプレイヤーと映ってしまいます。
それで勝てればいいのですが、カタンはそんなに
甘くもありません。
欲しい資源は、交渉で手に入れましょう。
盗賊はその時点で一番勝ちに近いプレイヤーの
急所に配置することによって、初めて他プレイヤーからの
賛同も受けられますし、置かれた方としても、
自分がその時点で一番有利だと理解していれば、
納得はできるはずですから。
その上で交渉を持ちかければ、他プレイヤーの
心証も良くなり、簡単にまとまる確率は高くなります。
盗賊はみんなのものですので、全員の納得するところへ置きましょう。
☆盗賊でトップを止めろ
『盗賊でトップを止めろ』とは
カタンの戦術でよく聞きますが、曲解されていることが
多々有るように思えます。
トップ=一番得点の高い人 ではなく、
トップ=一番10点に近い人 です。
例えば、家5軒+道賞で7点持っている人が一番得点が高かったとします。
この人が鉄を自家生産できない場合、他のプレイヤーが4〜5点以下で無い限り、
まず私は盗賊を置くことはありませんね。
なぜなら、この人はあと3点を生み出すために、とんでもない苦労を
強いられることがわかっているからです。
街を建てずに勝つには、カードでポイント3点か、ポイント1点+騎士賞が必要です。
が、鉄無しでカードを引くのも辛いですし、それならまだ街を目指した方が
勝ちに近づきます。
実際、私は過去数百回このゲームをしていますが、街無しで勝ったのは
3回しか見たことがありません。それだけ街無しで勝つのは難しいんです。
だから私が盗賊を置くのは、このプレイヤーが街を建ててからでしょうね。
☆全員2点での盗賊の移動は?
まだ全員2点の段階で7を振ることってありますよね。
そのときの盗賊の移動先ですが、
1番良い場所を持っている(であろう)1番手を止めるのが定石です。
1番手が盗賊を移動させる場合は、一番発展の可能性が
高そうなプレイヤーを止めます。
或いは、初期配置で明らかに有利不利が出ている場合は、
有利なプレイヤーを止めます。
そして他プレイヤーが伸びてきたら、今度はそっちを止めます。
カタンは全員がもぐらたたき状態になるゲームですので、
常に伸びた人を止めることを忘れないようにしましょう。
だけど終盤にダンゴレースになったら、状況判断は微妙です。
次ターンで上がってしまう可能性のある人を止めるしかありませんね。
よく最初に7を振って、誰も家を建てていない土地に盗賊を
置くプレイヤーを見かけますが、これは初期配置から
誰が有利なのか判断できないプレイヤーの行為です。
☆感想戦をしてみよう
囲碁や将棋では、対局の後に必ず感想戦があります。
こうすることで、その局の反省をしたり、新たな一手をみつけたりします。
カタンも強くなりたいと思ったら、必ず感想戦をしてみましょう。
絶対にそのプレイの中でキーポイントというものがいくつかあるはずです。
それについて他の人の意見を聞いたり、みんなで違う方法を考察するのも
楽しいものだったりします。
カタンをプレイしてみて、初心者〜初級者から脱出できれば、
ゲームはもっと楽しくなります。
今まで見えていなかったことが見えるようになったり、
誰が危険なのかも判るようになると、
マークする楽しみも出てきます。
これを読んでカタンに興味を持ったり、今までより少しでも
気が付いたことがあればいいなと思って書いてみました。
いつの日か、これを読んでる方とも対戦してみたいですね♪
おまけ:戦術あれこれ
ついで:交渉あれこれ
付合せ:逆転するには
コラム:道賞について
お仕事:初期配置